現時点で考える、当社の故障診断機にかんする考え方を記述したいと思います。
マクロ的な視点でみると、より汎用性の高い汎用機と自動車メーカー直結の純正オンラインサービスの2極化が今後さらに進むと考えます。
すでに大手の自動車メーカー純正機OEMメーカーはスタンドアローン純正機の将来の市場の縮小を見据えて、事業統合が始まっています。
象徴的な出来事として、今年初めのドイツのBosch社による米国SPX社の買収がありました。
Bosch社はとくにDaimlar社のOEMとしてゆるぎない地位を築いておりますが、車両システムの開発は自動車メーカー主導で行われており、ECU供給メーカーはそのままアフターマーケット製品へその情報を展開できません。
診断システムは自動車メーカーからのオンラインシステムへの移行が進めばなおさらその状況は加速します。
そのような状況のなかこれまで優だったメーカーが診断機市場では不利な存在となることもあり得る状況なのです。
現在、オンラインシステムではこれまで自動車業界とは縁が薄かったソフトウェアシステム会社の参入が相次いでおります。
そういうなかでオンラインシステムを教授するために不可欠なJ2534インターフェースの優、Drewtech社は今後の一般ツールとなってくるでしょう。
これは独立系ショップのツールだけでなく、メーカーから優先的に診断サービスを教授できるディーラーにおいても一般化する可能性を秘めております。
大手診断機メーカーが事業縮小を余儀なくされる中、新興国での自動車需要の爆発と汎用ツールの需要は高まり、市場拡大につれ新規参入メーカーによる診断機の開発競争、淘汰がすすみました。
欧米系大手工具ブランド向けのOEMも含め、ベンチャー企業が活発に参入してきております。ここ数年成長した実力のある企業は各自動車メーカーのECUの解析のなかでシステムの共通部分を見極めながら汎用性をもたせてユーザーサイドの応用範囲を広げられるように設計しております。Autel社のDS708の思想もそれに近いものがあります。
また、現在エンスー向けのチューニングもECUのコーディングと切り離せないものとなってきており、チューニング業界からのノウハウが故障診断機への応用展開する動きも出てきております。
Durametric社,Bavarian社,Carsoft社,Ross-tech社,PLX社などはその典型的な動きです。
当社としてはこの大きな3つの動きの最先端をとらえながら、独立系ショップへの最良なツールの提供を行いたいとの思いの元、世界のトップレベルの評価の製品を展開しております。
上記はあくまで当社独自の考えであり、断定するものではありません。
また、記載した各メーカーの戦略は各社各様で開示されているものではありませんし、事業のなかでの変化もあります。
あくまで診断機の流通を担うツールプロバイダーとしての私見です。
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